海底は <海・海底・地球>

地球の表面で、海水に覆われているところ。

地球の全表面積のうち約70%は海水に覆われ、海底となっている。

人間は陸上に生活の場を築いてきたので、陸地に関心を奪われ、ともすると海底のことを忘れがちである。

しかし、地球全体を眺めると、陸地は例外的な異常部で、海底がもっとも普通の状態であると考えるべきである。

残念なことに、海水は大気に比べて著しく透明度が低く、視覚による調査が困難だった。

このため、私たちの海底に関する知識は、陸地に関する知識よりはるかに劣り、ときには、地球から38万キロメートルも離れた月でさえ、明部に関する限り、海底よりは多くのことがわかっていると極言する人すらある。

しかし、最近の目覚ましい科学技術の発達で、調査も急激に活発になってきた。

その背景には、陸上の資源が枯渇してきて、海底資源の利用を余儀なくされつつある事実や、陸上に山積しつつある産業廃棄物を海底に投棄する必要性などが存在している。

航海が、もっとも容易で、もっとも経済的な大量輸送手段であることは、今も昔も変わらない。

航海の安全には、海の深さを知ることが必要である。

海の深さを測る「測深」が船の発明と時を同じくして生まれたことは、想像にかたくない。

船の先端で、ロープにおもりをつけたものを水中に垂らし、その着底までに繰り出されたロープの長さにより海の深さを測り、船の安全航行や陸からの遠近を知る手掛りとしていたことが、古代墳墓の壁画や聖書の記述からもうかがえる。当然のことながら、海岸に近い浅海の海底地形がまず調べられていった。

19世紀に入ると、海底電線を敷設して、電信により大陸間の情報交換を迅速化する事業が始められた。

1851年から数次にわたり、敷設予定経路に沿って、北大西洋の測深が精力的に行われた。

当時の測深は、麻ロープの先端におもりをつけて海中に投じ、着底までに繰り出されたロープの長さを基にして深さを、またおもりの先端のへこみの牛脂に付着してきた試料により底質を知る「索測深」が唯一の方法であった。

ロープの回収に蒸気エンジンが使われてはいたが、1回の測深に要する労力も時間も莫大であったうえに、精度にも問題があった。

にもかかわらず、大西洋の中央部の大西洋中央海嶺を探り当て、伝説中のアトランティス大陸を発見したとたいへんな話題になった。
update:2010年02月21日